「空室対策」の極論とは

 大家さんが日々直面する悩みであり、最大の関心事は、やはり「空室対応」です。
 
 今、満室状態であっても、いつ空室が発生するか分からない不安感、あるいは空室が出て何ヵ月も経つのに入居者の問い合わせが皆目ないという焦燥感は、収入減の現実的な問題と相まって賃貸経営を根底から揺さぶります。
 
 賃貸経営を始めるにあたって当初つくる収支計画では、入居率90~100%で返済プランを立てているケースが多く、空室発生の長期化にはこの返済プランに負担をかけるので、極力避けたいところです。
 
 借り手有利な市場が今後も続くと予想されることから、賃貸経営者としては空室対応に日頃の心の準備ではないのですが、空室に打ち勝つ“理論武装”を固めておくのも大事なことです。いつ出るか分からない空室に対して打つ手を用意しておくということです。
 
 そこで、空室対策ですが、その根本は「空室を出さない賃貸住宅を建て」「空室を出さない経営努力」をすることに極論されます。

5年先10年先の人の動き、入居者の傾向等をチェックする
 
 土地活用でアパート・マンションを経営するにも「ただ建てる」のではなく、「入居者を完全に呼び込める住宅を建てる」ことです。この差は大きいのです。
 
 土地があるから「勧められるままに建てる」のと、「勧められる中身を納得して着手する」のとでは大違いです。「この地に1アパートを建てて」「常時入居する入居者が見込めるのか」といったことに納得しておくことが大事なのです。

 5年先10年先の人の動き、入居者の傾向はどうなのか?等々をチェックする段階で、色々なものが見えてくるはずです。
 
 「事前のマーケティング」を十分に行い、市場の分析した上で「入居者ニーズに応えた住宅」を建てる。ここをはずすと最後までボタンの掛け違い状態が続きます。
 
 空室対策には色々なアイデアとか工夫がありますが、この当初のマーケティングと入居者ニーズを反映させた建物を建てないと後々苦戦を強いられます。今は物件は数の上では足りている時代なのですから、「入居者を呼び込む建物」でないと、これからの賃貸経営は厳しいものがあります。
 
 空室の原因となる阻害要因をつぶしていくことが、経営努力として必要なのですが、建ってから手を打つのでは遅く、その前に空室を生まない建物を建てないことには勝負になりません。